私たちなんぶは、2月4日に開催した支部代表委員会において以下の方針(※一部公開用に改編)を確認し、正式に26春闘への取り組みを開始しました。

30年におよぶ低賃金構造を変え、労働者の生活と権利のため、多くのみなさんに26春闘への参加を呼びかけます。

1、一律大幅賃上げ・待遇改善を勝ち取ろう

 26春闘では、以下の事項を主な根拠として、また闘い方に基づき、一律大幅賃上げと待遇改善を勝ち取ります。

(1)物価高騰への対応として

およそ30年間、物価も賃金も上がらない慢性的なデフレが続いてきた日本経済の状況に大きな変化が生じています。2025年の平均消費物価指数は、昨年比で3.2%上昇し、とりわけ米価をはじめとする食料品の値上がり1は、私たちの生活に深刻な影響を与えています。

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 また、人手不足や今後の物価上昇への予想が高まっていることから、この物価高は中長期的な傾向として持続することが見込まれています3。生活防衛のための持続的な大幅賃上げが必要であることはいうまでもありません。さらに、世代や雇用形態に関わらず物価上昇はすべての人に降りかかっています。全員一律の賃上げを勝ち取ります。

 とりわけ、一時的な手当ではなく、ベースアップを中心とした賃金引き上げを追求します。

(2)格差縮小のために

 賃上げの根拠は物価対応だけではありません。長年続いてきた賃金格差は、賃上げが毎年のように紙面を飾る近年でも縮小の見込みはありません。大企業と中小企業の賃金格差、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の格差縮小のためにも大幅な賃上げが求められています。

(3)人員不足解消と長時間労働是正のために

 人員不足と労働強化が深刻です。そして、人員不足解消の最も直接的かつ強力な対策こそ魅力ある賃金にほかなりません。人員不足解消と長時間労働解消を賃上げの根拠に加え、使用者に危機感を理解させましょう。そのための労働実態調査や組合員の声を賃上げ交渉の根拠につけくわえ、労働実態にあわせた正当な賃金と待遇改善を勝ち取ります。

 また、働き方が変化した職場では、業務の変化によって生じた心身の負担への補償として、あるいは変化それ自体に対する協力への対価として、正当な賃金と引き上げを求めます。 

(4)ストライキ権を背景とした緊張感ある交渉を

 社会的に賃上げムードが醸成されています。そうしたムードのなか、私たちは労働組合として賃金交渉を行ってきました。他の団体や機関と労働組合の最も特徴的な差異は、団体行動権、とりわけストライキ権の存在にこそ存在します。スト権を背景に、労働組合の真価を発揮して闘います。仲間のストライキへの支援に全力で取り組みます。

 また、ストライキにもさまざまな戦術があり、ストライキに至るまでの交渉方法にも工夫が求められます。労働組合らしい、創意工夫に満ちた戦術で交渉の打開を図ります。

(5)横断的要求・交渉・行動を

 私たちには、合同労組として企業別労組とは異なる取り組み方が可能です。個別企業との労使関係にとどまらず、背景資本や「親」会社、政府等への要求で賃上げを勝ち取ります。

 また、他支部の団体交渉への参加、支援行動など、企業を超えて団結する合同労組としての力を発揮します。

(6)人件費削減のための賃金体系変更に反対し、公正な賃上げ構造を

近年、なんぶのいくつかの支部において、会社側から賃金体系の変更を申し入れられています。人件費削減のための賃金体系改悪には反対し、労働組合の団体交渉権が真に尊重された公正な賃上げ構造の実現を目指します。

(7) 最低賃金を活用して

 東京都の最低賃金は2025年10月から時給1,226円(昨年比+63円 / +約5.42%)です。この5年間で約21%の引き上げです。また、東京以外で組合員が働いている自治体をみると、神奈川県では時給1,225円(昨年比+63円 / +約5.42%)、埼玉県では時給1,141円(昨年比+63円 / +約5.84%)です4

地域別に最賃が異なる不合理さや、そもそも物価高騰に最賃が追いついていないこと等については、引き続き全国一般全国協の仲間と共に取り組みを継続しつつ、最賃の引き上げ状況や上がり幅と職場の賃金を比較し、最賃あるいはその近傍の時給で働く組合員の大幅賃上げを求めます。また、月給で働く組合員も、改めて月例賃金を時間給で計算し直すこと等を通して最賃との幅を計り、その幅と最賃引き上げを根拠にした交渉に取り組みます。

2020年度〜2025年度の最低賃金推移(東京・神奈川・埼玉・全国)
年度20年21年22年23年24年25年
東京都1,013円1,041円1,072円1,113円1,163円1,226円
神奈川1,012円1,040円1,071円1,112円1,162円1,225円
埼玉県928円956円987円1,028円1,078円1,141円
全国加重平均902円930円961円1,004円1,055円1,121円

なんぶとしての要求額: 10%

要求提出日:      3月6日

回答指定日:      3月13日

2、雇用の安定を勝ち取ろう

 私たち労働者にとって雇用は最優先事項です。経済不況でも雇用と権利を守るため、解雇、雇い止め、リストラ、退職勧奨の際に組合との協議を要する事前協議約款の締結や、人定基準の明確化といった雇用保障の制度化を実現します。

 また、「多様な働き方」として、不安定かつ保障のない働き方が広がっています。雇用と労働の実態に即した雇用責任・使用責任を果たすよう要求を組み立て、誰もが安心して生活し働くことのできる制度の実現を目指して闘います。

 さらに、雇用の安定があっても、そこに不合理な待遇格差や差別があっては、労働者の生活と尊厳は守りきれません。雇用保障と均等待遇をともに追求し、待遇格差を是正します。

3、誰もが安心して働ける職場環境を実現しよう

 労働安全衛生の実態を把握・点検し、具体的な要求に結びつけます。

 休暇制度の拡充、長時間労働是正を求めます。育休や介護休については法の規定以上の休暇制度拡充を求めます。また、「制度はあっても使えない」という状態が生じていないか点検し、実質として休暇取得が容易に行えるよう、職場を変える交渉を行います。

 なんぶにはハイウェイ共闘の仲間を中心に、多くの高齢労働者がともに働き、活動しています。各種感染症対策としてワクチン接種の補助、長時間労働の是正や過酷な労働環境と設備の改善を通して、誰もが安全に働くことができる職場の整備を実現します。

 近年、夏季の湿温は異常な高さを記録し、熱中症による死者も増加しています。2024年中の職場における熱中症死傷災害は1247人と過去最高を更新するなど5、多くの労働者が深刻な危険に晒されながら働いています。2025年6月から労働安全衛生規則が改正され、使用者の熱中症対策が義務化されました。夏本番に向け、法律の義務以上の対策を26春闘で勝ち取ります。 

4、職場におけるハラスメント対策拡充を実現しよう

 ハラスメントや差別問題が生じた際の対応原則を労使で確認します。

 職場において直接・間接6の差別の実態がないか調査を行い、ジェンダー平等を職場から実現します。

5、組織拡大・団結強化に取り組もう

(1)職場交流会

 職場横断的な交流の機会を模索します。良い取り組みや制度のある職場があればそれらを他の職場に波及させるため、意見交換と情報共有をさらに活性化させ、職場の取り組みに活かします。

(2)組織拡大

 26春闘を契機に、組合員の増加と組織率向上に取り組みます。また、各職場の実践や経験の共有、検討を通して、組合員の増加と組合活動の活性化を図ります。

(3)産業別・業種別・地域別共闘の発展

 なんぶには、業種別共闘として、ハイウェイ共闘とケアワーカー連絡会が活動しています。個別企業を超えた連帯の力を強化し、産業別・業種別共闘・地域別共闘の拡大と発展に取り組みます。

(4)共闘の取り組み

 全労協、全国一般全国協、26けんり春闘の取り組みへの参加や交流を追求します。また、同じ東京の地で活動する全国一般全国協加盟労組や友誼労組の活動に積極的に参加し、地域の連帯を広げます。

(5)他支部の取り組み、ストライキへの支援 

 なんぶの他支部の取り組みやストライキ、争議への支援を通し、合同労組としての機能強化を目指します。

(6)未組織・未加入の労働者への働きかけ

 厚生労働省の調査では、推定組合組織率は16%であることが示されるなど7、近年は過去最低を更新し続けています。組合員の増加と、新たな支部結成のための取り組みを実施します。

6、争議

 なんぶでは争議を闘う仲間がいます。この春、納得のいく解決を勝ち取るため、仲間の取り組みを支えましょう。

 昨年、JICA(都労委)で闘いが集結し、支部としての活動を終えました。長年労働者の権利のために活動してきたJICA支部と組合員のみなさんに心からの敬意と連帯を表しつつ、闘う仲間の支援を続けていきましょう。早期解決のため、連帯して闘いましょう。

 また、なんぶが加盟する全国一般労働組合全国協議会や、全労協、東京総行動などさまざまな争議や取り組みがこの春闘にも行われます。職場を越えて連帯します。

 日本企業が親会社である韓国オプティカルハイテック労組の整理解雇撤回の闘いなど、国際的な労働者の闘いにも注目し、連帯します。韓国オプティカルハイテック労組を支援する会の尾澤さんに対する弾圧を許さず、裁判闘争に連帯して闘います。

7、社会的課題に取り組もう

 (1) 反戦平和

 2026年はトランプ政権のベネズエラ「斬首作戦」にはじまり、世界中で戦争と侵略の危機の広がりを予感させました。日本の国内外で多くの戦争・内戦・虐殺が続くなか、歴史の学習と、あらゆる戦争と侵略、植民地主義に反対する取り組みを強化します。九州や沖縄へのミサイル基地配備、軍事要塞化に反対します。ロシアによるウクライナへの侵略阻止、パレスチナでの虐殺と占領の終焉、ミャンマーや韓国での民主化闘争連帯など、26春闘でも全世界の労働者市民と連帯して闘いましょう。

(2) 沖縄

 昨年末、沖縄では辺野古新基地建設のため、大浦湾への土砂投入が強行されました。0.6%の沖縄に70%以上の米軍基地を押し付け、さらに辺野古新基地建設を進める政府の暴挙に反対し、声を挙げましょう。「沖縄のたたかいと連帯する東京南部の会」の取り組みや、例年の沖縄平和行進に参加します。

(3) 移住労働者

 現在、日本社会には257万人以上の移住労働者8が働いており、なんぶにも多くの移住労働者が参加しています。すでに移住労働者はこの社会で共に生き、共に働いています。その一方、移住労働者の労働者としての権利や市民としての権利はさまざまな局面で制限されています。また、インターネット上で流布されるデマやヘイトスピーチも凄まじい勢いで拡散されています。今年はこうした状況に危機感を抱いた労働組合、市民団体が「ヘイトにNO!全国キャンペーン」を開始します。毎年続けてきたマーチ・イン・マーチへのいっそうの取り組み強化や全国キャンペーンとの連帯を通じ、移住労働者とともに声をあげましょう。 

(4)部落差別と狭山闘争

 部落差別に基づく冤罪事件である狭山事件再審無罪を目指して闘ってきた石川一雄さんが、昨年3月、無罪判決が出ないまま惜しくも亡くなりました。お連れ合いの石川早智子さんが闘いを引き継ぎ、第4次狭山再審闘争が始まっています。インターネット上では、部落差別言動やデマが大量に流され、被差別部落の画像や映像を流布して差別を助長する行為も起きています。狭山再審闘争に勝利するとともに、誰もが差別されることなく生きることのできる社会の実現を目指して奮闘します。

(5)性差別と性暴力との闘い

 性差別や性暴力に対して声を上げることも労働組合として重要な取り組みです。職場における性差別・性暴力根絶の実践とともに、誰もがその性によって差別され、暴力を受けることのない社会の実現に向けて運動を強化します。また、選択的夫婦別姓の実現を、労働問題として取り組みます。ウィメンズマーチ2026に連帯します。

(6) 脱原発

 原発回帰を目指す日本政府は、原発新設および再稼働、地元漁民の反対を無視した福島第一原発の汚染水海洋放出など、原発事故などなかったかのように原発推進を強行しています。「とめよう原発3.7全国集会」をはじめ、反原発の取り組みに今年も連帯します。

(7) 最低賃金

 全国一般全国協加盟の全国の仲間とともに、最低賃金全国一律1500円の早期実現を目指して闘います。また、引き上げ時期の延期という姑息な遅滞行為を許さず、全国の仲間の取り組みを支援します。

8、行動予定

日程時間内容場所
2/4(水)18:30-第一回支部代委員会港区立生涯学習センター(ばるーん)304号室
2/10(火)18:15-(デモ出発19:00-)東京労組・全労春闘デモ行進 少年写真新聞社前(スタート)
2/11(水)14:00-憲法と「建国記念の日」を考える集会日本教育会館8階  
2/20(金)12:10-12:5026けんり春闘第一波行動経団連前
2/21(土)18:00-JIRITAMA第一審判決報告集会港区立男女平等参画センター(りーぶら)学習室C
3/7(土)13:00(開会)とめよう原発3.7全国集会代々木公園B地区
3/15(日)13:00(集合)マーチ・イン・マーチ2026上野公園湯島口出発
3/16(月)9:30-移住連省庁交渉未定
4/3(金)未定26けんり春闘中央総決起集会日比谷コンベンションホール
5/1(金)未定日比谷メーデー未定
5/22(金)未定狭山市民集会未定
5/15(金) – 5/18(月)未定沖縄平和行進未定


  1. 総務省,” 2020年基準消費者物価指数”, https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf, (2026-02-02 閲覧). ↩︎
  2. 総務省,” 2020年基準消費者物価指数”, https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf, (2026-02-02 閲覧). ↩︎
  3. 日本銀行,” 経済・物価情勢の展望(2026年1月)“, https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2601a.pdf, (2026-02-02 閲覧).
    ↩︎
  4. 厚生労働省“令和7年度地域別最低賃金の全国一覧” https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/,(2026-02-02 閲覧). ↩︎
  5. 厚生労働省,”2024年(令和6年) 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)”, https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001496511.pdf, (2026-02-02 閲覧). ↩︎
  6. 間接差別:一見性別に関係のない基準を設けることで、結果として特定の性に不利な条件をつくりだすこと(例:昇進等の条件に転勤を盛り込むこと。家事・育児介護等を女性が担わざるを得なくなっている社会状況において転居を伴う転勤を昇進等の条件とすることは、間接的・結果的に女性を差別的に取り扱うことになるため).詳細は厚労省「男女雇用機会均等法のあらまし」参照.https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000839074.pdf, (2026-02-02 閲覧). ↩︎
  7. 厚生労働省,”令和7(2025)年「労働組合基礎調査」の結果を公表します”. https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/25/dl/houdou.pdf, (2026-02-02 閲覧). ↩︎
  8. いわゆる「外国人労働者」を指しますが、法的な意味での「外国人」にとどまらず、海外にルーツを持つ人々全体を指し示す目的で、私たちは「移住労働者」という言葉を使用しています. ↩︎
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