労働組合は労働条件向上のための組織です。
労使交渉を通じて、安心して働ける、雇用が保障され労働者が定着できる職場づくり
をすることを目的としています。それはより良い生活の向上につながります。
労働者が社会での生活を犠牲にせず、健康で、安全に働くことは、賃金にならぶ重要
な労働組合の要求です。働き甲斐のある人間らしい労働は、人権をないがしろにする
職場では実現できません。
会社が労働法を守ることは当然なのに、なぜ、それすらできない企業が蔓延している
のでしょう?もし、労働者が何も求めなかったらどうなるのでしょう?
労働者があきらめ、がまんし、ただ「上からの改革」を待っているだけでは、職場はいつまでも改善されません。
労働組合には、賃金・労働条件を引き上げることで、社会の貧困化を防ぐという役目があります。
けれど、それを担う肝心の労働組合員が少なければ、その役目の遂行もおぼつきません。
私たちは東京南部地域を中心に、力のある強い労働組合をつくるために1956年の結成以来活動してきました。多くの働く仲間のみなさんが、職場改善のために活動できるよう、「ひとりでも誰でも加入できる労働組合」の形態を取ってきました。これは会社の外部にあるものではなく、あなたがたったひとりでも、あなたの会社の中の労働組合として存在します。
私たちの活動経験は、「働く者の権利を蹂躙する状況には徹底して抵抗し、働く者の権利を守り獲得するためには多くの仲間と連帯する」ところに活かされています。
違法、無法、不毛な職場にあきらめないで、労働組合というオプションをあなたの労働生活に加えてください。
私たちの職場は政治や経済の動きとつながっています。
けっして無縁ではありません。
私たちが安定した雇用と安心して生活できる賃金、健康で安全で、働きやすい職場を求めることは正当な要求です。
しかし、職場はますます多くの問題を抱えており、不安定雇用と低賃金、健康と生活時間を奪う長時間労働は蔓延し、人間らしい労働とは程遠い人権侵害が横行しています。安倍政権下の4年半で、富める者がさらに富むよう仕組みを作られました。貧しき者がさらなる貧困にあえいでいるにもかかわらず、福祉と教育は削られ、軍備は拡張されています。労働者へのおためごかし「働き方改革」の欺瞞もはっきりしてきました。
私たちは全身の怒りをもって共謀罪強行採決と安倍政権に抗議します。
共謀罪が成立すると・・・
正当な労働組合活動を警察によって弾圧されるようになります。
そのために日常的、恒常的に警察が労働組合を監視するようになります。
監視は、盗聴、密告にとどまらず、自粛、委縮が起き、労働組合の活動そのものができなくなります。
こんな法案を許したら、日本は再び暗黒社会になり、労働運動も市民運動も殺されてしまいます。
「ニーメラ―牧師の警句」を思い出します。
——————————————————————————-
ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから
社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから
彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから
そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった
—————————————————————————–
共謀罪を許してはなりません。
5月24日、日比谷野外音楽堂で、23日に衆院を通過した「共謀罪」法案(組織的犯罪処罰法改正案)の成立に反対する集会が約2500人(主催者発表)の参加で開催され、私たちも参加しました。
以下に採択された集会のアピール文を掲載します。
5.24集会アピール
安倍政権は、またしても多くの国民の反対と慎重な審議を求める声を無視して5月23日、衆議院本会議で「共謀罪法案」(組織的犯罪処罰法改正案)の採決を強行しました。特定秘密保護法、労働者派遣法、そして安保関連法に続く暴挙です。これは政府・与党の一強支配によるおごり以外の何ものでもありません。国民の疑問や野党の質問に誠実に答えて議論をつくそうとしない今の国会の状況は、議会制民主主義の否定であり、国民主権の否定です。このままでは私たちの国の立憲民主主義が滅びてしまします。
「共謀罪法案」は、犯罪を計画しただけで実際の実行に着手しなくとも逮捕・起訴を可能にするものであり、そのために警察によるすべての市民や労働組合などを対象とした日常的・恒常的な監視を許すものであり、私たちの私生活とプライバシーが侵害され、正当な労働組合の活動が侵害される危険性が極めて高いものです。
また、現在国会で継続審議となっている「労働基準法改正法案」は、世界の共通ルールとなっている法定労働時間制を適用せず、割増賃金を払うことなく際限のない長時間労働を労働者に強いることができる、まさに「過労死促進法」「残業代ゼロ法案」となっています。安倍政権は、長時間労働をなくすことを国民に約束しながら、労基法を改悪し、さらには労働時間の上限時間を過労死の労災認定基準としてしまう法改正をしようとしています。
加えて、現政権は、「労働者の首切り自由」、解雇は一定の金を払えば自由にできるという風潮を日本の雇用社会に蔓延させる危険のある「解雇の金銭解消制度」*の導入を強く進めようとしています。
私たちは、労働者のいのちと健康を破壊し、長時間労働をさらに助長するような労基法の改悪と、私たちの雇用社会を崩壊させかねない解雇の金銭解消制度に断固として反対します。
市民運動と労働運動が手を取り合って連帯し、国民的運動と世論の力で今の国会と政治状況を変えていきましょう。
2017年5月24日
労働法制の改悪と共謀罪の創設に反対する5.24連帯集会参加者一同
*「解雇の金銭解消制度」
私たちはこれまで「解雇の金銭解決制度」と呼んできましたが、ここでの金銭解消制度とは、裁判で不当解雇の判決を得ても一定の金銭を払えば争いを解消させてしまう制度、という法的な意味で使われています。つまり、解雇無効の場合でも就労権を認めず職場に戻れない問題のある制度ということです。
これは「解雇の自由化」であり労働者の権利はく奪以外の何ものでもありません。
詳しくはこちら http://roudou-bengodan.org/proposal/20161104/
「話し合うことが罪になる-共謀罪」で、まっとうな労働組合活動ができなくなる?
5.24日比谷集会にぜひ参加し、働く者の声を上げましょう!
労働法制の改悪と共謀罪の創設に反対する連帯集会
───────────────────────
日時:5月24日(水)18:30~ デモ19:45
場所:日比谷野外音楽堂
主催:労働運動と市民運動の連帯をめざす一日集会
(連絡先:日本労働弁護団)
http://roudou-bengodan.org/topics/4727/
共謀罪の最大の特徴は、まだやってもいない犯罪で罪に問われ、処罰されるかもしれないところです。犯罪が発生していない段階で罪に問われることです。
たとえば「パワハラ上司、殴りにいこうぜ」という居酒屋談義でも罪になってしまいます。
共謀罪のターゲットが市民運動や社会運動、労働運動つぶしにあるといわれるゆえんは、声を上げる人たちの声を抑えつけるのに、非常に有効な法律だからです。
共謀罪が成立すると、処罰も警察の恣意的な判断が可能で、警察による監視や盗聴が横行し、自由にものが言えなくなります。
共謀罪は、憲法が保障する基本的人権を侵害するとして、三度、廃案になってきました。
「壊憲」をもくろむ安倍政権を許さず、共謀罪に反対しましょう!
ストップ!監視・密告社会!!
Categories:
お知らせ, なんぶの活動, 反戦平和 Tags:
かつて、治安維持法下で、過酷な監視社会が出来上がりました。治安維持法は社会運動を圧殺するためのものでした。社会主義運動や労働運動だけでなく、宗教や言論、表現、
学問、思想などありとあらゆる分野の自由を弾圧する装置となりました。
治安維持法と共謀罪の共通点は「罪」とされることの定義があいまいなことです。警察が「こいつあやしい」と思えば逮捕できてしまうのです。
共謀罪で盗聴、密告、監視社会にならないという保障はありません。労基法改悪に反対する労働組合運動の弾圧を狙うことも容易になるでしょう。
私たちは、あたりまえの労働運動が罪になる「共謀罪」に反対します。ストップ!監視社会!
Categories:
お知らせ, なんぶの活動, 反戦平和 Tags:
メーデーの5月1日、私たちは今年も第88回日比谷メーデーに参加しました。
前段の全国一般なんぶ独自集会では、音楽著作権労組、きんざい分会、全芝浦屠場労組、国土地理分会、日本棋院職員労組、商業界分会、どんぐり労組、ハイウェイ共闘首高運労組など各支部から17春闘の報告や決意表明を受け、団結を確認しました。
式典は、全国一般なんぶ委員長の平賀さんが民間労組を代表してメーデー集会の開会を宣言、各分野のアピールが続きました。
国際連帯を掲げる私たちは、韓国サンケン労組の仲間たちとともに「連帯闘争歌」の「ユルトン(「律動」 労働者の闘いを表す歌に合わせたダンス)」を、カンボジア人実習生や韓国サンケン労組を支援する会の仲間たちと交じり、ステージに上がって踊りました。これからもマーチ・イン・マーチを始めとして闘う国際文化交流に力を入れていきましょう。

写真は解散地点で横に広がったなんぶの隊列です。18支部と個人加盟組合員合わせて約180名が参加しました。
お天気にも恵まれ、よいメーデーとなりました。
日時:5月1日(月)午前9時 日比谷公園郷土の森カモメ広場集合
式典:午前9時45分より 日比谷公園野外音楽堂にて
メーデーは、1886年5月1日、アメリカの労働者が8時間労働時間制を求めて立ち上ったことが始まりです。
その頃の労働者は、1日12時間以上も働かされ、長時間労働に苦しんでいました。
労働者は、「仕事に8時間、休息に8時間、そして自分の自由な時間のために8時間」と声を上げました。
しかし、「自由な時間」のためのストライキに警官が発砲、ストに参加していた労働者が殺されました。その事件は世界中に広がり、国際的な労働者の連帯運動となり、労働者は「8時間労働時間制」を獲得したのです。
メーデーは、自由な時間のために闘い犠牲となった人々のことを忘れず、メーデーの起源である5月1日に、労働者の闘いを国際的に祝う日となりました。
ところが、現代の日本では、安倍政権の「働き方改革」によって、この時代を超える長時間労働と過労死を合法化する年間960時間の時間外労働が容認されようとしています。130年前の闘いの時代に逆行しようとしています。メーデーに参加することは、長時間労働を許さない闘いでもあります。
そして労働者は、労働条件の改善・向上のために団結し、交渉し、闘う権利を持っています。
まだ労働組合に加入していない多くの働く仲間のみなさんが、労働組合を結成または加入し 、私たちと団結してともに闘っててくださることを願っています。
全国一般東京南部の隊列は、組合員以外の方も歓迎します。メーデーに参加してみたい働く仲間のみなさん、学生さん、ぜひ私たちとともにデモ行進を歩きましょう。

17なんぶ春闘統一行動を取組みました。
首都高速株式会社前で集会を行いました。
全国一般東京南部には、首都高速の料金所やパトロール、運転者などの労働者が所属する11の支部があります。
首都高速の料金所は危険できつい仕事ですが、働いている人は高齢者です。人手も足りず、労働密度が高まっています。大幅賃上げと労働条件を引き上げることで、新規労働者に来てもらわなければなりません。ハイウエイ労働者の春闘はこれから始まります。
私たちは、職場を超えて、春闘を取組みます。
ハイウエイ労働者の春闘を支えるため、ハイウエイ労働者を中心に、毎年ここで総行動集会を取組んでいます。
今年は、権利春闘東部総行動の仲間たちが合流し、合同の集会を開催しました。
韓国サンケン労組、JAL争議団、全国一般東部労組メトロコマース支部、全国一般東京労組フジビ分会など争議団からの決意表明がありました。全国一般東京南部からは、ハイウエイの支部などでつくるハイウエイ共闘の西村議長があいさつしました。
春闘は3月の1日で終わるものではありません。中小の春闘はGWを越し夏まで交渉することもザラです。決着するのに1年かかることもあります。でもきちんと交渉することで、会社の言いなりになることはありません。私たちは意思を持って交渉に臨んでいます。
春闘交渉は粘り強く。ともにがんばりましょう!
虎ノ門・首都高速株式会社前にて集会
中小零細企業に働く労働者の賃金・労働条件は厳しさを増すばかりです。
格差と貧困が拡大し、中小企業労働者は正規・非正規を問わず、将来の生活設計が立たないばかりか、日々の健康や安心できる労働環境さえ脅かされる状況にあります。
低賃金と長時間労働を強いられる現場では、必要な労働力・人手の確保ができない慢性的人手不足が広まり、対策として「最低賃金」の引き上げがおこなわれていますが、それでも全国平均823円(東京932円)にすぎません。深刻なことは、この最低賃金に直接影響される水準の労働者が急激に増加していることです。中小零細の賃金水準が、どんどん最低賃金水準に近づいているのです。
全国一般なんぶの職場でも「ワーキングプア」現象が広がる傾向にあります。この間抑え続けられてきた賃金に加え、人手不足を背景にした長時間労働を強いられる実態が労働者を苦しめています。
17春闘での賃上げ・労働時間規制の要求は、待ったなし、切実な課題です。
労働条件を労使交渉によって決める春闘要求は、労働者の主体的な意思の総意です。労働組合は労使対等の原則に基づき、使用者側と団体交渉を行います。私たちは、労働組合の持つ権利である団体行動権を背景に力を合わせて17春闘を闘い、賃金・労働条件を改善しましょう。