全国一般労働組合とは? About NUGW

● 全国一般

日本の全雇用者の9割は、中小企業に働いています。でも、そこには労働組合はほとんどありません。

1955年、かつての総評が、中小企業に働く労働者の生活と権利を守るために、全国で労働組合作りを始めたのが
全国一般労働組合の始まりです。東京南部地区でもこの動きに促され、「城南中小合同労働組合」がスタートしました。

それが「全国一般労働組合東京南部(略称=「全国一般なんぷ」)」の前身です。

● 合同労組

日本の労働組合の多くは企業ごとに組織されています。これを企業内労組といいます。
大企業の労働組合はほとんどが企業内労働組合です。中小企業では、大企業の下請けや子会社などが多く、
これらの企業では親会社の影響が濃く反映されたりします。またワンマンな経営者が多いのも中小企業です。
そんな中小企業では、労使のカ関係も会社のカが上回りがちです。そこで合同労組という発想が生まれました。

全国一般は、企業の枠を越えて横に連なります。これが合同労働組合です。
合同労組は、一企業の中にとらわれず外へ広がっていく労働組合ですから、経営者の思惑に左右されず、
会社の介入をはねのけるためのカを発揮することができます。

そのため全国一般は、個人加盟を原則として、地域を中心に労働者を組織しています。
ひとりでも加入できる組合なので、正社員だけでなく、臨時・パート・アルバイト、契約、嘱託、派遣など
雇用形態や呼称に関係なく、誰でも加入できます。
また、会社から「委託」「請負」「フリーランス」などと言われていても、
働き方の実態が労働者であれば加入できるのも「全国一般なんぶ」です。
組合員は、年齢も国籍も性別(もちろんセクシュアリティに関りなく)も、差別されることなく組合活動をします。

労働者の生活と権利のために、一人一人の組合員が地域に基盤をおき、お互いに助け合い支援し合う労働組合です。
そして私たちは、地域の仲間とさらに全国的なネットワークを作り、労働者が直面する問題の解決にあたっています。

● 全国一般なんぶ

「全国一般なんぷ」の事務所は、JR新橋駅鳥森口から西口通りを南に向かって5分程歩いたところにあります。この事務所ではいろいろな組合員、労働者がさまざまな活動を自主的に行なっています。また、事務所には専従スタッフがおり、性別、年齢,国籍の別なくあらゆる人たちの労働相談に応じています。
解雇、職場のいじめ、賃金未払い、労働災害、もちろん組合づくりなど、働く困りごとや悩み、
そして生活に関わる相談が毎日とび込んできます。


「全国一般なんぶ」が新橋に労働相談センターを開設したのは1983年。
以来、数多くの労働相談に応じ、その中から多数の支部・分会が結成されました。
労働相談活動は、解雇事件の解決のほか、賃金未払いや有給休暇がないなどの
労働基準法違反を是正させてきました。支部・分会結成後は賃上げや労働条件向上を掲げた労使交渉に取組み、多くの職場で成果を上げています。

● なんぶの支部・分会

「全国一般なんぷ」は、それ自体で一つの労働組合ですが、様々な職場に約70の「支部・分会」を作っています。
これらの支部・分会の職種・業種はサービスなど第三次産業を中心に、実に多種多様です。
組合員1名の「分会」から100名を越える「支部」まで、規模は大小さまざまです。
外国人だけの支部もあれぱ、高齢者だけの支部もあります。
もちろん正社員ばかりではなく、非正規労働者の支部もあります。
会社の力に支配されない働き方を守るために、支部・分会はともに支援し合いながら活動しています。
支部・分会の職種、業種がさまざまなので、同業種だけでなく異業種の仲間とも交流でき、
見聞が広がるのも全国一般なんぶの特徴です。

● 地域の仲間との共闘

「全国一般なんぶ」は、その中だけに閉じこもることなく、地域の組合や闘う人々との共闘・連帯を推し進めています。
全国一般労働組合全国協議会(全国一般全国協)は「全国一般なんぶ」の上部組織であるだけでなく、
闘う上でのアドバイスや加盟組織からの支援を受けます。
また全国一般全国協が加盟する全国労働組合連絡協議会(全労協)傘下の東京全労協、南部全労協とは、地域での闘いを支援し合う関係です。
「全国一般なんぶ」は中小で働く労働者を組織する他の合同労組とともに「中小労組政策ネットワーク」を組織し、中小企業労働者のための政策的な取組みを行うほか、
東京総行動など争議支援行動を通じた積極的な共闘体制を作っています。

「全国一般なんぶ」の運動の発展のため、
そして労働組合運動の発展のため、共闘と連帯を大切にする-

それが私たちのスタイルです。